Q1.クマタカのハンティング(エサを捕るための狩り)の成功率は?
A1.ハンティングの成功率は、高くありません。これまでの観察では、親鳥で 75%、若者の鳥で0%でした。
つまり、親鳥から自立したての若者の鳥は、狩りにほとんど成功しないのです。 それだけ若い鳥が生きていくのは厳しいのです。
Q2.どんなところで狩りをするのですか?
A2.狩りをするのは、だいたいエサとなる小さな動物の多い、冬になると葉っ ぱの落ちる丸い葉っぱの木(広葉樹)の林です。ドングリなどの広葉樹の林は、 人間が植えたスギやヒノキなどのとがった葉っぱの木(針葉樹)の林と比べて食 べるものが多いため、クマタカのエサとなる小動物が多いからです。
Q3.何を食べているのです?
A3.主にノウサギ、やヘビ類、少し大きい鳥などですが、森に住むほとんどすべての動物を食べます。時にはニホンザルも捕りま す。ニホンザルの例では、体重約10キログラム の大人のサルも捕らえていまし た。
Q4.子どもは、何羽うまれるのですか?
A4.1回に生まれるたまごの数は、たったひとつです。
Q5.巣はどんなところに作りますか?
A5.山の低いところにある、深くて急な谷の中の、アカマツやモミの林にあることが多いです。
Q6.巣の大きさはどのくらいですか?
A6.巣の大きさはだいたい1.5メートルあります。つまり皆さんの体と同じぐ らいの大きさです。
Q7.巣は何でできているのですか?
A7.木の枝でできています。
Q8.巣は雄と雌のどちらが作るのですか?
A8.ほとんどが雄がつくります。
Q9.いつたまごを生むのですか?
A9.広島県では、だいたい3月の終ごろです。
Q10.大人は何才からですか?
A10.はっきりしたことは解っていませんが、完全な大人になるには10年位か かると考えられています。
Q11.時速何キロメートルぐらいで飛べるのですか?
A11.ふつうはだいたい時速50~70キロメートルぐらいで飛んでいますが、急 降下でこれまでで一番速かったものは、時速250キロメートル以上ありました。
Q12.視力はどのくらいですか?
A12.はっきりしたことは解っていませんが、だいたい、20倍の望遠鏡よりは よく見えているようです。
Q13.ほかのタカなどと見分けるポイントは?
A13.とても大きいことと、幅があり、厚みのある翼がポイントです。クマタ カは、実際にはワシのひとつです。
Q14.寿命はどのくらいですか?
A14.はっきりしたことは解っていませんが、50年ぐらいは生きるのではない かと思われています。
Q15.耳はどこにあるのですか?
A15.クマタカに限らず、鳥の多くが耳は目の斜め下にあります。人間でいえ ば、ちょうどほっぺたの後ろのほうです。羽毛の下に隠れていて外からは見えま せんが、どの鳥も割合に大きい耳です。
Q16.寝るときはどうするのですか?
A16.寝る場所は特に決まっていないようです。谷の下の方の葉っぱのよく繁 った木の中などで寝ているようです。
Q17.冬の生活はどうしているのですか?
A17.クマタカは冬も夏と同じように生活しています。食べるものは、冬は冬 眠してしまうためヘビ類がなくなりますが、あとはほとんど同じです。もちろん クマタカは冬眠しません。
Q18.体温はどのくらいですか?
A18.はっきりしたことは解っていませんが、だいたい40度位と考えられてい ます。
Q19.一生に何度産卵するのですか?
A19.はっきりしたことは解っていませんが、少なくとも20回位は産卵できる と考えられます。
Q20.大きさはどれぐらいですか?
A20.頭の先から尾羽根の先まで、だいたい80センチメートル位です。飛んで いるときは、翼の先から先までだいたい2メートル位あります。
Q21.羽根の色は変わるのですか?
A21.若いときは全体的に白っぽい色ですが、年をとるにつれて黒っぽくなっ ていきます。
Q22.一回何分位飛ぶのですか?
A22.平均だいたい3分位です。
Q23.雄と雌はどこで見分けるのですか?
A23.雄と雌は同じ色をしていますが、雌は雄よりひとまわり大きく、がっし りした体つきをしています。
Q24.クマタカの名前の由来は?
A24.「くま」とは、大きくて力強いことをさします。つまりクマタカとは 「大きくて力強い猛きん類」という意味です。